Product / 3DCG Simulation

薪ストーブの燃焼室内部を3DCGで映像化|炎シミュレーションによる製品プロモーション映像の制作事例

薪サウナストーブの製品プロモーション映像を、STEPデータの支給から1か月で納品。CADをそのまま活かして実機と同一形状のモデルを起こし、炎は物理シミュレーションで再現。カメラは燃焼室の内部まで入ります。

1か月
STEPデータ支給から納品まで
22
完成映像(1920×1080・30fps)
STEP
3D CADデータの支給から着手
カメラでは撮れない映像も、
3DCGなら叶えられる。
01 — 背景・課題

燃焼中の内部は、撮影できない。

薪サウナストーブの製品プロモーション映像のご依頼。この製品の構造的な魅力は、燃焼室の中で起きている二次燃焼にあります。つまり見せ場が製品の内側にあり、実写では小さなガラス扉越しに眺めるしかありません。

そこで、支給いただいた3D CAD(STEPデータ)から実機と同一形状のモデルを起こし、炎は物理シミュレーションで再現。カメラが燃焼室の内部まで入る映像を、3DCGで制作することになりました。

完成レンダーより。燃焼室の薪の炎と、上段の空気穴から吹き出す二次燃焼がこの製品の見せ場。
完成レンダーより。燃焼室の薪の炎と、上段の空気穴から吹き出す二次燃焼がこの製品の見せ場。
02 — 進め方と納期

STEP受領から納品まで、1か月の内訳。

本事例の実際のスケジュールです。確認を前半に集め、後半のシミュレーションと本レンダリングを一度で通す構成にしています。

ステップ内容期間
1STEPデータ受領、質感・環境設定、カメラ軌道の線画で確認第1週
2アニメーション制作(確認プレビューで修正3回)〜第2週
3初稿データ提出(テロップ込み)第3週
4炎の流れなどの調整、校了3〜4日
5高画質レンダリング2日
6Premiere Proで書き出し、納品校了後すぐ
合計1か月

※ 制作期間は受注状況によって前後します。

03 — 工程1

STEPデータから、実機と同一形状のモデルを起こす。

支給いただいた3D CAD(STEP)をそのまま活かすため、図面からの起こし直しは不要。寸法・形状は実機と完全に一致します。CADデータは映像用にはポリゴンが重く構成も細かいため、Blenderで部品をまとめ、見せる部品と隠れる部品を整理してから質感設定に進みました。

STEPから読み込んだ部品構成。本体・扉・煙突・空気穴の各パーツを整理した状態。
STEPから読み込んだ部品構成。本体・扉・煙突・空気穴の各パーツを整理した状態。
04 — 工程2

ステンレスの反射、ガラス扉、スタジオ照明。

質感と環境設定は着手後すぐに静止画で確認いただきました。ステンレスの反射の強さ、ガラス扉の透過と映り込み、背景のトーンは、動かす前に静止画で合わせておくと後工程での手戻りがありません。

着手直後に共有した質感確認の静止画。ステンレス・ガラス・照明のトーンをこの段階で確定。
着手直後に共有した質感確認の静止画。ステンレス・ガラス・照明のトーンをこの段階で確定。
05 — 工程3

カメラの軌道を事前に確認。

アニメーションに入る前に、「どの順番で、どう見せるか」をカメラ軌道の線で提示しました。下部の吸気口から燃焼室に入り、二次燃焼の空気穴を経て煙突へ抜ける。見せる順番をここで確認しておくことで、動き始めてからの方向修正を防げます。

提示したカメラ軌道。下部の吸気口から燃焼室に入り、二次燃焼の空気穴を経て煙突へ抜ける。
提示したカメラ軌道。下部の吸気口から燃焼室に入り、二次燃焼の空気穴を経て煙突へ抜ける。
06 — 工程4

確認用プレビューを往復しながら、2週間でアニメーションを確定。

確認したカメラ軌道をもとにアニメーションを制作し、軽量のプレビュー動画でご確認いただきました。修正は3回。カメラの速度、扉前での止め方、内部に入るタイミングを調整して確定しています。プレビューは質感や炎を省いた状態なので、往復に時間がかかりません。

クライアント確認に使ったアニメーションプレビュー。質感・炎を入れる前の状態。
07 — 工程5

薪の炎は、Houdiniで物理シミュレーション。

本事例の主役は炎です。薪の炎はHoudiniで物理シミュレーションを行い、VDBデータとしてBlenderへ持ち込んでレンダリングしました。勢いよく燃え上がる炎ではなく、焚火のように穏やかに揺れる燃え方を目指し、燃料の供給量と浮力のパラメータを繰り返し調整しています。

初稿提出後、「炎の流れ」についてご要望をいただき、3〜4日で調整して校了。炎はシミュレーションの計算時間が長いため、この調整を本レンダリングの前に済ませておくことが納期を守る要です。

Houdiniでの炎シミュレーション。VDBに書き出してBlenderへ。
Houdiniでの炎シミュレーション。VDBに書き出してBlenderへ。
燃焼室内部・炎のクローズアップ。実写では近づけない距離。
燃焼室内部・炎のクローズアップ。実写では近づけない距離。
08 — 工程6

二次燃焼の炎は、軽い手法で。

燃焼室上段の空気穴から吹き出す多数のジェットは、Houdiniのシミュレーションではなく、BlenderのUVスクロールで表現しました。すべてを物理シミュレーションで作ると計算・レンダリング時間が現実的でなくなるため、主役の薪の炎に計算を集中させ、二次燃焼は「見え方」を優先した軽い手法で組んでいます。

どこに計算資源を使い、どこを省くか。この判断が、1か月という納期の中で炎の品質を確保するために効いています。

上段の空気穴から吹き出す二次燃焼。左右にドラッグして質感の前後を比較できます。
質感前
質感後
上段の空気穴から吹き出す二次燃焼。左右にドラッグして質感の前後を比較できます。
09 — 完成映像

本レンダリング完了後、すぐに書き出して納品。

初稿の段階からPremiere Proでテロップまで組んであるため、本レンダリング(2日)が上がった直後に差し替えて書き出し、そのまま納品しました。22秒・1920×1080・30fps。Web・展示・営業資料で共通してお使いいただける尺と形式です。

撮影では実現できなかったこと
  • 燃焼室の内部を飛ぶカメラ。燃えている薪のすぐ横まで寄る。
  • 炎の中のクローズアップ。実写では熱と煙で近づけない距離。
  • 空気穴から吹き出す二次燃焼のジェットを、見える形で可視化。
  • 実機・撮影スタジオ・照明機材が一切不要。
プロジェクト情報
クライアント
サウナ関連製品メーカー様
用途
製品プロモーション映像(Web・展示・営業資料)
支給データ
STEP(3D CAD)
制作内容
3DCGモデリング整理・質感・アニメーション・炎シミュレーション・編集
納品形式
MP4(1920×1080・30fps・22秒)
制作期間
1か月
使用ツール
BlenderHoudiniPremiere Pro

撮影できない「製品の中」を、映像に。

STEPなど3D CADデータがあれば、実機や撮影スタジオなしで製品プロモーション映像を制作できます。炎・流体・内部構造の可視化まで、企画から一貫してお引き受けします。

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