薪ストーブの燃焼室内部を3DCGで映像化|炎シミュレーションによる製品プロモーション映像の制作事例
薪サウナストーブの製品プロモーション映像を、STEPデータの支給から1か月で納品。CADをそのまま活かして実機と同一形状のモデルを起こし、炎は物理シミュレーションで再現。カメラは燃焼室の内部まで入ります。
燃焼中の内部は、撮影できない。
薪サウナストーブの製品プロモーション映像のご依頼。この製品の構造的な魅力は、燃焼室の中で起きている二次燃焼にあります。つまり見せ場が製品の内側にあり、実写では小さなガラス扉越しに眺めるしかありません。
そこで、支給いただいた3D CAD(STEPデータ)から実機と同一形状のモデルを起こし、炎は物理シミュレーションで再現。カメラが燃焼室の内部まで入る映像を、3DCGで制作することになりました。

STEP受領から納品まで、1か月の内訳。
本事例の実際のスケジュールです。確認を前半に集め、後半のシミュレーションと本レンダリングを一度で通す構成にしています。
| ステップ | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| 1 | STEPデータ受領、質感・環境設定、カメラ軌道の線画で確認 | 第1週 |
| 2 | アニメーション制作(確認プレビューで修正3回) | 〜第2週 |
| 3 | 初稿データ提出(テロップ込み) | 第3週 |
| 4 | 炎の流れなどの調整、校了 | 3〜4日 |
| 5 | 高画質レンダリング | 2日 |
| 6 | Premiere Proで書き出し、納品 | 校了後すぐ |
| 合計 | 1か月 |
※ 制作期間は受注状況によって前後します。
STEPデータから、実機と同一形状のモデルを起こす。
支給いただいた3D CAD(STEP)をそのまま活かすため、図面からの起こし直しは不要。寸法・形状は実機と完全に一致します。CADデータは映像用にはポリゴンが重く構成も細かいため、Blenderで部品をまとめ、見せる部品と隠れる部品を整理してから質感設定に進みました。

ステンレスの反射、ガラス扉、スタジオ照明。
質感と環境設定は着手後すぐに静止画で確認いただきました。ステンレスの反射の強さ、ガラス扉の透過と映り込み、背景のトーンは、動かす前に静止画で合わせておくと後工程での手戻りがありません。

カメラの軌道を事前に確認。
アニメーションに入る前に、「どの順番で、どう見せるか」をカメラ軌道の線で提示しました。下部の吸気口から燃焼室に入り、二次燃焼の空気穴を経て煙突へ抜ける。見せる順番をここで確認しておくことで、動き始めてからの方向修正を防げます。

確認用プレビューを往復しながら、2週間でアニメーションを確定。
確認したカメラ軌道をもとにアニメーションを制作し、軽量のプレビュー動画でご確認いただきました。修正は3回。カメラの速度、扉前での止め方、内部に入るタイミングを調整して確定しています。プレビューは質感や炎を省いた状態なので、往復に時間がかかりません。
薪の炎は、Houdiniで物理シミュレーション。
本事例の主役は炎です。薪の炎はHoudiniで物理シミュレーションを行い、VDBデータとしてBlenderへ持ち込んでレンダリングしました。勢いよく燃え上がる炎ではなく、焚火のように穏やかに揺れる燃え方を目指し、燃料の供給量と浮力のパラメータを繰り返し調整しています。
初稿提出後、「炎の流れ」についてご要望をいただき、3〜4日で調整して校了。炎はシミュレーションの計算時間が長いため、この調整を本レンダリングの前に済ませておくことが納期を守る要です。


二次燃焼の炎は、軽い手法で。
燃焼室上段の空気穴から吹き出す多数のジェットは、Houdiniのシミュレーションではなく、BlenderのUVスクロールで表現しました。すべてを物理シミュレーションで作ると計算・レンダリング時間が現実的でなくなるため、主役の薪の炎に計算を集中させ、二次燃焼は「見え方」を優先した軽い手法で組んでいます。
どこに計算資源を使い、どこを省くか。この判断が、1か月という納期の中で炎の品質を確保するために効いています。
本レンダリング完了後、すぐに書き出して納品。
初稿の段階からPremiere Proでテロップまで組んであるため、本レンダリング(2日)が上がった直後に差し替えて書き出し、そのまま納品しました。22秒・1920×1080・30fps。Web・展示・営業資料で共通してお使いいただける尺と形式です。
- 燃焼室の内部を飛ぶカメラ。燃えている薪のすぐ横まで寄る。
- 炎の中のクローズアップ。実写では熱と煙で近づけない距離。
- 空気穴から吹き出す二次燃焼のジェットを、見える形で可視化。
- 実機・撮影スタジオ・照明機材が一切不要。
撮影できない「製品の中」を、映像に。
STEPなど3D CADデータがあれば、実機や撮影スタジオなしで製品プロモーション映像を制作できます。炎・流体・内部構造の可視化まで、企画から一貫してお引き受けします。




